この羅盤は「今日宜方」のページに組み込まれています。本ページではそれを分解して説明します。盤面の各環が何を表すのか、方位角の読み方、スマートフォンのセンサーで実測する方法、デスクトップでなぜ手動ドラッグしか使えないのか、そして「磁気偏角」が実際に何をしているのか。すべてプログラムの実際の挙動に沿って書いており、口訣は使いません。

1この羅盤にできること

これは実測方位の羅盤である。読み値は「いま自分がどの方位を向いているか」を示し、その方位を伝統的な堪輿で用いる二十四山と後天八卦の宮に換算する。スマートフォンを水平に、画面を上にして持てば、針の指す先があなたの向いている方位である。

ただし、これは「坐向を自動で決める」道具ではない。この点は先に明言しておく。坐向を定めるには、まず宅の「極」(中心点)を決め、その中心点から玄関の向く方位を測る必要がある。屋内で立ちながら何気なく測った度数が示すのはあなたの向きであって、宅の坐向ではない。この盤の価値は信頼できる角度の基準を与えることにあり、玄関・竈・寝床の頭を測るときに勘で済ませずに済む。

  • 測れるもの:向いている方向の真北方位角(0.1° 単位)、対応する二十四山(一山 15°)、八卦の宮(一宮 45°)、正方位の名称。
  • 測れないもの:宅の坐向、屋内の吉凶、あなたの命卦。これらは「住宅分析」の六つの流派で算出するもので、羅盤は角度の入力しか担わない。
  • どこにあるか:「今日宜方」のページ内、九宮盤のすぐ下に組み込まれている。スマートフォンで開くのが最も完全な体験になる。デスクトップのブラウザはハードウェアの都合で手動モードのみとなる(第 6 節で詳述)。
一言でいえば、羅盤は「角度を測る」役、流派は「角度を読む」役である。この二つを混同するのが、初心者が最も陥りやすい誤りである。

2盤面の見方

盤面は外側から内側へ幾つかの層に分かれている。図の番号と、以下の各項を照らし合わせてほしい。

盤面の層を示した注記図(表示例 135° · 巽宮 · 巽山)。実際の羅盤はセンサーまたはドラッグでリアルタイムに動きます。この図は静的な注記であり、操作はできません。
  • ① 目盛環(最外):15° ごとに短い線が入り、八卦の宮の正中(0°、45°、90°…)では線が長く濃くなる。正方位に素早く合わせるための目印である。
  • ② 二十四山の環:一周二十四格、一格 15° で、それぞれに干支または卦名が付く。子山の正中が 0°(真北)で、時計回りに癸・丑・艮・寅・甲・卯……と続く。宮ごとにまとめると、坎宮は壬子癸、艮宮は丑艮寅、震宮は甲卯乙、巽宮は辰巽巳、離宮は丙午丁、坤宮は未坤申、兌宮は庚酉辛、乾宮は戌乾亥である。
  • ③ 八卦の環:八つの宮、一宮 45° で、後天八卦の配列をとる。坎(真北)が 0° を中心とする。宮名は方位の大きな区分であり、二十四山より一段粗い。人に伝えるときは「午山」より「南側」と言うほうが通じやすい。
  • ④ 固定された針:赤い針先は常に上を向く。これは意図的な設計である。実物の方位磁針も針が北を指し、盤は体の向きに従って回る。盤面が回り針が動かないため、読むべき方位は常に真上へ運ばれてくる。視線で数字を追いかける必要はない。
  • ⑤ ハイライトされた扇形:真上(針の位置)から時計回りに現在の読み値まで掃引された淡金色の扇形で、終端に朱砂色の細線が引かれる。これは「真北から何度回ったか」を直感的に示すもので、読み値が大きいほど扇形は広がる。
方位の約束に注意してほしい。この羅盤は上北下南で、スマートフォンの標準コンパスと一致する。一方、本ページ上部の九宮飛星盤は上南下北(堪輿の伝統的な配列)である。二つの盤で向きが逆なのは意図的であり、それぞれの分野の慣例に従っている。無理に揃えれば両方とも誤りになる。盤を見る前に、まず見出しで向きを確認されたい。

3読み値の読み方

盤面の右側が読み値の領域である。真北を正面にしていると仮定すると、次のように表示される。

0.0°
N · 坎宮 · 子山
  • 大きな 0.0° —— 真北の方位角。真北が 0° で、時計回りに増える。東は 90°、南は 180°、西は 270°。
  • N · 坎宮 · 子山 —— 粗い順に三つの粒度を示す。N は八方位の名称(最も粗く、日常の会話で使う)、坎宮は後天八卦の宮(一宮 45°)、子山は二十四山(一山 15° で最も細かく、排盤や立向ではこれを使う)。
  • 磁北の読み値 / 真北の読み値 / 磁気偏角 の三行の小さな文字。磁北の読み値はセンサーの生の値、真北の読み値は補正後の結果、磁気偏角は両者の差(すなわち補正量)である。手動モードでは磁北の読み値の行は出ない。手動ドラッグは真北を直接与えるもので、「未補正の生の値」というものが存在しないからである。
英語表示では二つ目のラベルが Kan のみで Palace を伴わない。拼音の宮名を続けて読むと "Kan Palace" と繋がってしまい、かえって分かりにくくなるためである。翻訳漏れではない。

4三つの使い方

信頼性の高い順に、スマートフォンのセンサーが最も正確、手動ドラッグが最も安定、校正は非絶対方位の機種を補うために使う。三者は併用できる。センサーの読み値がずれたら、いつでもドラッグして引き継げばよい。

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    スマートフォンでの実測(第一選択)

    スマートフォンで「今日宜方」を開き、羅盤の「羅盤を有効にする」をタップする。iOS 13 以降ではこのタップによって権限要求を起こす必要があり、ブラウザにシステムのダイアログが出るので「許可」を選ぶ。許可後はボタンが「センサー読み取り中」に変わり、盤面があなたの向きに合わせてリアルタイムに回り始める。
    読み値は絶対値(絶対方位モード)であり、先に一周まわして北を探す必要はない。持ち上げればすぐ読める。隣の「センサーを停止」でいつでも切って節電できる。
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    手動ドラッグ / 方向キー

    すべての端末で使え、デスクトップのブラウザでは唯一のモードでもある。盤面をドラッグすれば読み値が変わり、あるいはマウスを盤上に移して ← → を押せば 5° 刻みで微調整できる。Shift を押しながら方向キーを押すと 15° 刻みになり、ちょうど一山分に相当するので隣の山へ素早く跳べる。
    手動モードは「すでに方位が分かっていて、どの山・どの宮に入るか見たい」場合に向く。図面を読むときや、事例に示された坐向の度数を照合するときなどである。
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    「現在の向きを北とする」校正

    センサー動作中にのみ現れる。少数の機種のブラウザは非絶対方位しか提供せず(alpha の零点が毎回ランダムになる)、読み値全体に一定のずれが乗る。対処法はこうである。体を静止させ、スマートフォンを既知の方位(たとえば玄関が南と分かっているなら南)に向け、「現在の向きを北とする」を押す。プログラムはそのずれを記録し、以後すべての読み値から自動的に差し引く。
    校正は(このセッション内で)持続するので、毎回行う必要はない。場所を変えたときやブラウザを再起動した後は、もう一度行うことを勧める。
盤面にはドラッグのヒントも表示される。「盤面をドラッグするか ← → キーで微調整(Shift を押すと 15° 刻み)。盤面は真北に合わせてある。」——「真北に合わせてある」の一言が要点である。ドラッグして合わせた度数がそのまま真北の方位角であり、自分で磁気偏角を引く必要はない。

5なぜ読み値を磁気偏角で補正するのか

方位磁針が指すのは実は磁北であり、地図上の真北ではない。地磁気の極と地理上の北極は一致せず、両者のなす角が磁気偏角である。この角は緯度経度によって変わり、年とともに緩やかに漂う。北京ではおよそ −7°、ロンドンではほぼ 0°、北米西海岸でははっきり東へ偏る。

7° の差とはどの程度か。一山は 15° なので、7° はほぼ半山にあたる。つまり補正をしなければ、読み値は誤った山に落ちうる。本来なら子山(真北から 15° の範囲)であるべき方位が、壬山や癸山として読まれてしまう。排盤や立向では、この一歩の違いが盤全体の誤りにつながる。

この羅盤は WMM 世界磁気モデル(12 次の球面調和展開)を内蔵し、あなたの緯度経度に応じて磁気偏角をリアルタイムに算出し、磁北の読み値を真北へ換算する。したがって読み値の領域では「磁北の読み値」と「真北の読み値」が小さな角度だけ異なり、「磁気偏角」の行がその差そのものを示す。

風水の立向は真北を用いる。これは業界の共通認識である。羅盤の校正、図面の正北、衛星による測向はいずれも真北に合わせており、真北だけが一世紀以上前の堪輿の記録と直接比較できる。したがってこの羅盤が既定で表示するのは真北の読み値であり、大きな文字の度数をそのまま使えばよい。

磁気偏角はあなたの緯度経度から算出し、その緯度経度は「今日宜方」上部の都市コントロールから取得する。したがって測る前にまず都市のプルダウンで正しい都市を選んでほしい。さもないと既定の位置で計算され、一、二度ずれる。経度は手入力もできる。東経が正、西経が負である。

6精度を上げる小さなコツ

スマートフォンは磁力計を使っており、磁場があれば必ず影響を受ける。以下の順に確認すれば、通常は誤差を 1° 以内に収められる。

  • 磁性体から離す:マグネット式のスマートフォンケース、磁石の留め具の付いた鞄、金属の机の角、ノートパソコン、スピーカー、冷蔵庫の扉、鉄筋の入った壁は特に影響が大きい。測るときはこれらから少なくとも 30 センチ、金属のドア枠のそばではさらに離すのが望ましい。
  • 8 の字を描いて再校正:スマートフォンを長く使うと磁力計に偏差が蓄積し、読み値全体が狂う。手に持ったまま空中でゆっくり「8」の字を幾度か描き、システムに再標定させる。これは OS 標準の機能で、描き終えればすぐ効く。
  • 水平に持つ:スマートフォンはできるだけ平らに、画面を上にして持つ。傾けても読み値は使えるが精度は落ちる。玄関の向きを測るときは、扉の内側に立ち、胸の高さで水平に前に差し出すほうが、目の前に掲げるより安定する。
  • 読み値が落ち着くのを待つ:センサーを起動した直後は数秒間数字が動くが、これは正常な収束過程である。動かなくなってから読む。同じ位置で二、三度読み、一致した値を採る。
  • 横並びで照合する:OS 標準のコンパスアプリと比べてみる。両者の差が 1〜2° 以内なら正常である(モデルもアルゴリズムも異なる)。大きく食い違うなら、取り除けていない干渉源があるか、「現在の向きを北とする」校正が必要である。
正確な立向の専門的なやり方は、屋外で、壁から離れ、実物の羅盤を用い、磁気偏角の補正を行うことである。スマートフォンの羅盤は日常の自己確認や照合に向き、正式な結論を出す必要がある場合は、実物の羅盤で再確認することを勧める。

7よくある質問

ここまで読めば、どう測るか、どう読むか、値がおかしいとき何を確認すべきかが分かります。あとはスマートフォンを水平に持ち、「今日宜方」の下で一度試してみてください。玄関の向きを一度測るのが、一番手早い確認方法です。